これまで何度もお話ししているように、ストレスは心臓にとって大敵です。ストレスを受けると交感神経が優位になり、神経伝達物質のアドレナリンやストレスホルモンのコルチゾールが大量に分泌されて、心拍数が増加したり血圧が上昇して心臓の負担が増大します。また、血糖値やコレステロールの数値も高くなって、心臓病のリスクをアップさせます。
良質な睡眠が心臓を守るというお話も取り上げてきました。通常、就寝時は副交感神経が優位になるのですが、睡眠不足になると交感神経が優位の時間が長くなってしまいます。そうなると、先ほど触れたアドレナリンやコルチゾールが増えて心臓病につながるのです。
退職者は、運動、ストレス、睡眠という心臓病に大きくかかわる因子をプラス方向に改善できるようになるといえます。とはいえ、60歳を越えてからも仕事を続けなければならない、もしくは続けたいという人も少なくないでしょう。そうした人は心臓を守るための働き方や生活を意識することをおすすめします。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」