元国立がん研究センターの医師は重度の糖尿病を食事・運動・計測で治した

元国立がんセンター研究所疫学部長の渡邊昌さん(提供写真)

 当時の一日の食事は朝がご飯を軽く1杯と味噌汁、納豆、きんぴらごぼう。昼の弁当は玄米、果物、焼き魚に野菜。夜はご飯1杯に豚生姜焼き、豆腐、野菜などです。

■15分以上かけて噛んで空腹感を克服

 今までと比べて食事量はかなり少ないので当然お腹がすきます。そこで食欲に勝つために実行したのは、よく噛むことです。

 人間の食欲は脳の食欲中枢がコントロールしています。満腹を感じるには脳の満腹中枢の神経細胞と血中のタンパク質の一部が結合しなければなりません。腸で吸収されたものが脳に届くには食べ始めから15分ほどかかります。ですので食事時間を15分以上かけてシッカリ噛むようにしました。すると1カ月ほどで空腹感を感じなくなりました。筋肉を合成するため、脂肪は20%取ることにしました。1日1600キロカロリーだと320キロカロリー分、つまり35グラムの脂肪の摂取を目指しました。

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