元国立がん研究センターの医師は重度の糖尿病を食事・運動・計測で治した

自分の血糖値をたえずモニタリング

 また運動は、夕食2時間後の午後8時ごろの血糖値が200ミリグラムを超えることがしばしばあることがわかり、その時間帯に散歩をしたり、室内用の自転車(エルゴメーター)を30分ほどこぐようにしました。また、激しい運動をすればするほど血糖値を下げると思いがちですが、これは間違いです。私はマラソンやトライアスロンに挑戦しましたが、そのときの血糖値は高くなりました。考えれば当たり前で、運動が始まると、細胞はエネルギーとして血糖を必要とするために、肝臓に貯蓄していたグリコーゲンを分解してブドウ糖として血液中に放出するからです。筋肉に蓄えられたグリコーゲンは数分で消費されてしまいますが、肝臓のグリコーゲンはなかなか消費されないため、激しい運動をすると逆に血糖値は上がってしまうのです。

 いろいろなパターンの血糖値を測った結果、食前の運動よりも食後の、しかも30分後から散歩程度の運動をするだけでも十分血糖値が下がることがわかりました。それが私の体験からの結論でした。

8 / 10 ページ

関連記事