太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた

やせている人が使用すると、筋肉量が減って体が衰弱する可能性も(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 ──食事療法や運動療法で新たな動きは?

「ローカーボ(低糖質)食の有用性を認めざるを得なくなっています。かつては全体から得るエネルギーの60%を炭水化物から取るとされていました。ところがいまは50~60%との言い方が変わってきた。もっと少なくてもいいという意見もありますが、炭水化物の取り過ぎが肥満につながることはわかっています。つまり食事療法もこれまでのようにカロリーだけで語ることはできなくなっています」

 ──最後に糖尿病の治療は今後どうなりますか?

「糖尿病を完全に治す手段は膵臓のβ細胞の移植などでしょうが、実現はまだ先の話。ただ、肥満型の糖尿病の寛解例が増えるのは間違いありません。ほかのタイプの糖尿病も改善例が増えるでしょう。治療の選択肢が増え糖尿病は『悪くなっていくだけの病気』ではなくなりつつあります。きちんと取り組めばそれに応えてくれる病気です。過去の情報や思い込みであきらめずに、患者さんやその予備群の人は積極的に検査や治療に取り組んでいただきたいものです」

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