太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた

過体重で2型糖尿病を発症している場合は治る可能性が(C)iStock

「一般の人のなかには糖尿病治療の目的はHbA1cを下げることだと思っている人も多いでしょう。それはある意味正しい。糖尿病治療の目的は血糖コントロールを介して合併症を防ぐことであり、とくに細小血管症(網膜症・腎症・神経障害)、動脈硬化性疾患(虚血性心疾患・脳血管障害・末梢動脈疾患)の発症・進展を阻止することです。それを実現するため、さまざまな研究結果からHbA1c7%未満が治療目標となっています。しかし、それは糖尿病治療の目標のひとつに過ぎません。真の目標は糖尿病のない人と変わらない寿命と日常生活の質(QOL)を実現することです。ですからHbA1cが6%台になっても脂肪肝や中性脂肪、高血圧などが解消されなければ真の目標達成にはなりません。最近発売されたGLP-1受容体作動注射薬は体重減により、真の目標を達成する可能性があるのです」

 ──新たな薬の登場で糖尿病治療は具体的にどう変わりましたか?

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