太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた

東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野の弘世貴久教授(提供写真)

 ──病期が長くても治りますか?

「残念ながら、病期が長すぎる人は治すのが難しくなります。2型糖尿病の人は、インスリンを分泌する膵臓を常に酷使している状態です。その状態が長く続けば、膵臓の働きが悪くなってインスリンの分泌量が低下し、やがてまったく出なくなることも。その頃になると患者さんはだんだんやせてきます。インスリンが不足して血液中のブドウ糖を細胞に取り込めなくなり、代わりに筋肉や脂肪に蓄えられたエネルギー源を消費するからです。こうなると、健康体に戻すことは難しくなります。ですから、過体重が原因で糖尿病になった人は、診断からできるだけ早い段階に減量することが重要です」

■努力が苦手でやせられない人こそチャンス

 ──昔から多くの人は食欲に負けてしまい、やせられません。いまになって肥満型の2型糖尿病が治る、というのはなぜ?

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