太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた

過体重で2型糖尿病を発症している場合は治る可能性が(C)iStock

「BMI30以上の30代の女性の2型糖尿病患者Aさんは2種類の薬でもHbA1cが8%を切れませんでした。しかし、経口セマグルチドの追加でHbA1cが5%台となり、体重も10キロ減に。血液検査もすべて正常になり、Aさんはセマグルチド以外の薬はやめました。糖尿病治療の目的は合併症を防ぐことです。血糖値と体重が健康な状態に戻れば、合併症のリスクはほぼなくなる。Aさんは薬の使用という一点を除けば、健康な人と同じような状態になったのです。薬をやめれば、病的な血糖値と体重に戻る可能性が高い。しかし、いったん、薬で患者さんが成功体験を得れば自信がつき、食事制限や運動に意欲的になり、治療を継続します。結果、インスリンが必要だった人が飲み薬だけになったり、薬の量や種類が減ったり、薬が不必要になるケースが増えています」

 ──GLP-1受容体作動薬はなぜやせるのですか? 仕組みを教えてください。

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