太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた

過体重で2型糖尿病を発症している場合は治る可能性が(C)iStock

 ──それ以前にも、ゲームチェンジャーと呼ぶべき薬はあったのでしょうか?

「注射薬のセマグルチド(商品名:オゼンピック(R))がそれにあたります。日本では2020年6月に発売されました。GLP-1受容体にのみ作動する注射薬ですが、血糖値が改善してやせる人が続出しました。チルゼパチドは発売して間がなく、欧米で大人気となり品薄状態に。日本では入手困難な状況が続いています。その意味では現時点の日本のゲームチェンジャーはセマグルチドかもしれません。セマグルチドには、飲み薬(商品名:リベルサス(R))もあります。飲み薬は薬の飲み方に少し工夫が必要(絶食時に少ない水で服用し、30分間何も食べずに待つ)ですが、注射が嫌な人には人気です。ちなみにチルゼパチドとセマグルチドの違いは体重減の幅です。チルゼパチドは高用量であればあるほど体重減が大きくなるとされています。その点はセマグルチドも同様で現在より高用量の製品が高度肥満者を対象として先日認可されました」

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