老親・家族 在宅での看取り方

多発性骨髄腫の80代男性「打つ手がないなら点滴はやらないで自然でいたい」

在宅では患者さんの状態に合わせて対応(C)iStock

「他に痛いところは?」(私)

「足とか手はいいんですが、胸とか背中は痛がります」(息子)

「看護師さんに床ずれとかないか見てもらいましょう」(私)

「点滴とかはどうしたいとかありますか?」(私)

「点滴はやらないで自然でいいって本人が」(息子)

「まずは飲み薬を使ってもらって、飲むのが難しいようなら貼り薬も検討しましょう。トイレって行けてますか?」(私)

「最近、行けてないです」(息子)

「排泄の介助とか含めて看護師さんに来てもらった方がいいと思います」(私)

「それでお願いします。私がやると嫌がるんです。看護師さんなら受け入れてくれるかも」(息子)

「今日中に入ってもらいましょう」(私)

3 / 4 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事