膵臓がんの手術はできるだけ実績の豊富な病院で受けるべきです。トップは「がん研究会有明病院」、2位が「国立がん研究センター中央病院」。がん治療の覇権を争うライバル同士です。膵臓がんの手術を行っている病院は少なく、全国でわずか295病院という状況です。その中で年間50件以上行っているのは、わずか25病院。そのうち9病院が東京、千葉、神奈川に集中しています。地方の人が実績のある病院で手術を受けようと思ったら、東京に出てくるのが確実です。
■関西はがんとの共存
膵臓がん関連の手術では、「大阪府立成人病センター」(現・大阪国際がんセンター)がトップに立っています。同病院の膵臓がん手術はわずか20件なので、根治を期待する患者には少々物足りないですが、QOLの改善などを望む患者にとっては心強い存在になっています。ほかにも関西の病院がいくつか上位に食い込んでいます。関連手術の年間件数が50件以上の病院は全国で77病院あるのですが、そのうち16病院が関西です。
膵臓がん手術は再発率が高く、手術による延命効果は限られているといわれています。無理に手術するよりは、余生をできるだけ元気に過ごせるほうがいいという、関西ならではの合理主義の表れかもしれません。
明細書が語る日本の医療