とはいえ、インフルエンザも風邪も、そんなに怖い病気ではありません。それらが引き寄せる「肺炎」こそが、本物の恐怖です。なんと2213人の中高年男性が、感染性の肺炎で犠牲になりました。
インフルエンザや風邪で弱った気管や肺は、病原菌にとって格好のターゲットです。ところが肺炎の原因となる細菌やウイルスは、種類が多いのです。
しかも困ったことに、肺炎の症状はどれも同じで、目の前の患者がどの病原菌に侵されているのかを特定することは、現代医学をもってしてもかなり難しいのです。
そのため原因菌が特定されるまでは、多くの病原菌に広く効く(逆に言えば特定の菌にはあまり効かない)抗生物質を使って治療を行うことになります。しかし肺炎の進行をうまく抑えることができなければ、原因菌が判明する前に命を落とすこともあるわけです。
室内も危ない…自宅での凍死者は74人で低体温症は116人も
- 2018年11月01日
永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。