ガイドライン変遷と「がん治療」

胃がん<2>腹腔鏡の胃全摘 ステージIで"容認”されているが…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 胃がんの手術には内視鏡的切除、縮小手術、定型手術、拡大手術、非治癒的手術などがありますが、どの手術を選択するかが肝心。ガイドラインには進行度に応じたお勧めが書かれています。進行度は「TNM」と呼ばれる分類法に基づいて判定されます。Tはがんの大きさ、Nはリンパ節転移の程度、Mは他臓器への転移の有無を表しますが、我々が普段から目にするステージ分類に換算して見ていきましょう。

 内視鏡手術はステージⅠA(がんが胃粘膜下層まででとどまっており、リンパ節転移がない)まで、しかも大きさが直径2センチまでとされています。それより大きいか、深くまで達していると縮小手術(胃を3分の2以上残す)に移行します。ステージⅡとⅢでは、定型手術が行われます。胃の3分の2以上を切除(全摘を含む)し、リンパ節郭清も行われますが、ステージが上がるほど郭清の範囲が広がります。また、隣接する臓器や組織にがんが浸潤していると、拡大手術(周辺臓器の一部を含めた切除)となります。ステージⅣ(他臓器転移がある)では根治は目指さず、症状を改善するための非治癒的手術が行われることがあります。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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