ガイドライン変遷と「がん治療」

大腸がん<6>1次治療の病勢コントロール率は70%

1次の病勢コントロール率は70%

 最新の治療ガイドラインには、切除不能進行再発大腸がんに使える薬として十数種類が連なっています。そのうち6種類は分子標的薬、ひとつが免疫チェックポイント阻害剤です。

 1次治療だけでも13通りの処方がありますが、ガイドラインには治療方針を決めるためのフローチャートが載っています。これを参考に、患者と主治医が相談して、どれを選ぶか決めることになります。ただし「RAS」と「BRAF」という、2種類の遺伝子に異常があると、いくつかの分子標的薬が効かないため、事前の遺伝子検査が欠かせません。2次治療は、1次治療で使わなかった処方の中から選択されます。1次治療として並んでいる処方の多くは、同じ程度の奏効率(30%前後)を発揮します。だから1次治療が効かなかった(効かなくなった)としても、違う処方が効くかもしれないわけです。

 ところで奏効率とはどんな数字でしょうか。30%といわれると、患者の3割が助かるかのように聞こえますが、決してそうではありません。

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永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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