ようこそ!不老不死レストランへ

豊富な栄養と春の薫りをいただく グリーンピース下処理と茹で方

紙蓋をして弱火で5分(C)日刊ゲンダイ
メンデルの法則を生み出した免疫システムの重要素材

 子供の頃、なぜか私はグリーンピースが苦手で、チャーハンやピラフに入っているのをいちいちつまみ出して捨てていた。プラスチックみたいな人工的に見える緑色と、あまり味のない食感が嫌だったのだろう。今にして思えば、たいへん罪なことである。なんせグリーンピースは生物学者にとってリスペクトしてもしすぎることのない最重要の実験材料だったからである。

 ちょうど日本でいうと明治維新が始まる少し前、オーストリアの修道院の司祭グレゴール・メンデルは、エンドウマメ、すなわちグリーンピースを使って実験をしていた。豆にシワのある系統とない系統をかけ合わせるとシワのないものができる。これを自家受粉すると次の世代ではシワのないものとあるものが3:1で出現する。有名なメンデルの法則である。遺伝が何らかの物質的な媒体(今で言う遺伝子)によって運ばれ、また優性と劣性(正式には顕性と潜性)の組み合わせによって数学的な法則が成り立つ。

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