長嶋茂雄さんも心房細動による脳梗塞 予防に新たな選択肢

観客の声援に応える長嶋茂雄氏(2016年撮影)/(C)日刊ゲンダイ

 治療自体は1時間前後で終了し、入院期間は2~3日。抗凝固薬はやめられ、出血のリスクが減る。左心耳閉鎖治療を受けた前出の91歳の男性は、貧血を全く起こさなくなり、今では読書や音楽・テレビ観賞といった趣味を満喫する生活を送っている。

 国内10施設で54人の心房細動の患者を対象にした臨床試験では、実施2年後のフォローアップの結果が出ている。それによると、「ウォッチマン」留置後45日時点でワーファリンを中止できなかったのは1例。ただし、別の病気が理由だ。

 留置後6カ月時点で血栓が確認されワーファリン再開となったのが2例。しかしその後ワーファリンを中止でき、2年後には全員がワーファリンをやめられ、左心耳閉鎖による抗凝固薬中止率は100%となった。2年間で、心房細動や「ウォッチマン」留置による脳梗塞もゼロだった。

 抗凝固薬で問題がない人は今の治療のままでいい。しかし、出血をよく起こす、転倒しやすいなど何らかの問題を抱えている人は、主治医に一度相談してはどうだろう。

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