血液型と病気

コロナにO型が強いのは血が固まりにくいから? A型は死亡リスクが高い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 血の止まりやすさは、血の固まりやすさと同じです。そしてそれは「血栓のできやすさ」に関係してきます。破れた血管の外側にできるのがカサブタ、血管内で血が固まってできるのが血栓です。血栓は血管を詰まらせて、さまざまな病気を引き起こします。冠動脈が詰まれば心筋梗塞、脳の血管が詰まれば脳梗塞です。また足の腫れや痛みを起こす深部静脈血栓症や、突然死の原因のひとつである肺塞栓症(エコノミークラス症候群)も血栓が原因です。

 2020年における虚血性心疾患(血管の詰まりが原因の心疾患)の死者数は約6万7000人、肺塞栓症が約1500人、脳梗塞が約3万1000人などとなっています。さらに脳梗塞からの誤嚥性肺炎や認知症なども含めれば、死者は十数万人に達し、現代人にとっては、がん(約38万人)に次ぐ大きな脅威となっています。

 新型コロナでも、血栓が生死や重症化の鍵を握っていると言われています。国立研究開発法人・日本医療研究開発機構のホームページには、「COVID-19で死亡した患者の剖検(病理解剖)報告では、肺、心臓、その他の臓器の末梢毛細血管や細動静脈内に広範に存在する微小血栓が認められており、多臓器不全との関連が想定されている」と記されています。

 実際、重症患者には、ヘパリンなど抗凝固薬の投与が推奨されています。新型コロナの重症化や死亡リスクが、A型がもっとも高く、O型がもっとも低いことと考え合わせると、なるほどと納得できる気がしてきます。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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