健康指標の意味を知る

【血圧】「心拍出量」と「血管抵抗性」で決まる 上が140以上で高血圧

上が140以上で「高血圧」

 基準はどうなっているのでしょうか。テレビCMなどでは、上が130を超えると大問題であるかのようにあおっていますが、そんなことはありません。日本高血圧学会の治療ガイドラインでは、上が140以上になると、高血圧と診断されます。ただし159までは軽度(Ⅰ度)とされ、食事や生活習慣の見直しが中心となります。ちなみに上が130~139は「高値血圧」といって、まだ様子見(経過観察)の段階です。

 昔はもっと基準が甘く、1987年以前は上が180以上になって、ようやく高血圧と診断されていました。それがどんどん下げられて、2008年に130となったのです。しかしさすがに行き過ぎの声が大きく、現在は上述のように緩和されています。

 このように基準自体が上下しているわけですから、健診で血圧が多少高めだったとしても、あまり深刻になる必要はなさそうです。(永田宏・長浜バイオ大学メディカルバイオサイエンス学科教授)

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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