太るタイプの2型糖尿病は薬で“治る”時代へ… 専門医に聞いた

東邦大学医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野の弘世貴久教授(提供写真)

「ゲームチェンジャーというべき新たな薬が相次いで登場したからです。SGLT2阻害薬に続き、今年の4月に日本で認可されたチルゼパチド(商品名:マンジャロ(R))という注射薬は、臨床試験において週1回40週間最大用量を投与した場合、1~2カ月の血糖値の平均をあらわすHbA1cが平均5.4%まで低下し、体重が平均11.2キロ減少したと報告されています。しかも、この薬は弱くなった膵臓のインスリン分泌の能力を高め、食欲を抑え、脂肪分解を促進するなど糖尿病患者さんにとって好ましい働きをします。注射だけでこれだけの効果が得られるので、太っていて運動や食事制限が苦手でやせられない患者さんこそチャンスです。適応のある患者さんにはチャレンジして欲しい薬です」

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