健康寿命という点では「実家通いの就職」が男子の勝ちパターン 医療情報学教授が語る

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 国立社会保障・人口問題研究所によれば、男性の生涯未婚率は、2020年においてすでに25.7%に達しており、今後さらに上昇し続けるという。

 また東京都監察医務院のホームページには、都内で発生した孤独死の統計が掲載されている。単身者が、自宅で、誰にも看取られずに、病気などで亡くなることが孤独死だ。2019年には5554人(男性3868人、女性1686人)が都内で孤独死した。しかも年齢のピークは65~74歳だった。

 もちろん、結婚しないまま実家暮らしを続けていれば、親が先に亡くなり、最後は自分ひとりになってしまう。とはいえ、いまどきの高齢者、とくに母親は元気で長生きが多い。50代や60代の息子に食事を作り続けている母親も、少なくない。そのため息子のほうは、かなり年配になるまで家事から解放され、バランスのいい食事を取れ、しかも家賃や光熱費も安く(家庭によってはタダで)済む。実家を建て直して、その費用まで親任せという独身息子も少なくないらしい。

3 / 5 ページ

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

関連記事