それでも親は、息子の面倒を見なければならないので、気が張って、元気に生活できる。また息子は、将来的に親を介護し、看取ることになるから、自分の体調や健康には単身者よりも気を使うはずだ。こうしてウィンウィンの関係が成り立ち、親子とも長生きできるわけである。
■女性の健康リスクは結婚に左右されない
そういうことを考えると、所得が低く抑えられているいまの時代、実家から通える会社に入るのが、男子にとっては健康寿命という点では勝ちパターンと言えそうである。
経営者や人事担当者は、いまや人材も地産地消の時代に入りつつあると思ったほうがいい。
ただし女性に関しては、こういうシナリオは成り立たない。というのも女性は結婚していようと独身であろうと、死亡リスクや健康リスクがほとんど変わらないからだ。東京都監察医務院のデータでも、女性の孤独死は男性の半分だし、人口動態調査でも、未婚女性の死亡曲線は夫と暮らす女性とほとんど変わらない。