「高齢者のがん治療」知っておきたい16のポイント 静岡がんセンター山口建総長が解説

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 必要に応じて、セカンドオピニオンを求めるという手段もあります。

 患者さんの命にも関わることなので、納得のためにも勇気を持って要望してください。ただし、セカンドオピニオンの際は、民間療法中心の医療機関は避けてください。

■たくさんのがん患者に接してきた山口医師から一言

「医学は科学、医療は物語」という言葉を大切にしています。「患者さんは良い治療があればそれを求めるが、治療が尽きた時には本人や家族にとって悔いがないよう思いを語り、物語を紡ぎ、最期を迎える準備をする。医療スタッフはたとえ、その思いが科学的でなくても協力して欲しい」という意味です。

 この3月に94歳の母親を静岡がんセンターの緩和ケア病棟で看取りました。スタッフの協力を得て、良い看取りができました。

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山口建

山口建

慶応義塾大学医学部卒。国立がんセンター(現・国立がん研究センター)に勤務。内分泌部、細胞増殖因子研究部の部長などを歴任。1999年、同センター研究所の副所長、宮内庁の御用掛を兼務。静岡県立静岡がんセンターの設立に携わり、2002年、初代総長に就任し、現在に至る。著書に「親ががんになったら読む本」(主婦の友社)など。

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