■がん治療で入院となると、フレイル(虚弱)のリスクも増す?
高齢者は数日の入院で筋力などが20~30%低下し、立ち居振る舞いに支障を来たしたり、食事が困難になったりすることがあります。また、がん治療後の体の回復は、元気な時よりも遅れます。積極的な手を打たなければフレイルのリスクが増します。
そのため治療前後のリハビリテーションや口腔ケアなどフレイルを防ぐ処置を積極的に行い、回復を早める手だてを取ります。
認知機能の低下やせん妄状態もがん治療を契機に起こるリスクがあり、その対策も重要な課題です。
■高齢であることをあまり意識せずに受けられる治療法はある?
胃がん、大腸がん、食道がんといった消化管の早期がんに対する内視鏡治療や腹腔鏡下手術、照射可能な部位のがんで完治を目指す放射線治療などです。これらは、従来の方法よりは負担が少なく、高齢者でも治療に耐えることができます。