この反応は、刺されてから数分以内に起こるので、即時反応と呼ばれています。即時反応は30分もすれば治まりますが、1日か2日後には遅発反応も起こります。つまり即時と遅延の連続技で、一刺しで二度痒い思いをするわけです。
さらに年齢が上がって、蚊に刺された累積回数がどんどん増えてくると、次第にT細胞やマクロファージが慣れてきて反応しなくなり、遅延反応が弱まっていきます。そして即時反応だけになるのです。体質や、いままでにどれだけ刺されたかにもよりますが、だいたい50代から60代になるころには、遅延反応はなくなるようです。それでも即時反応は残っていますから、刺された直後から30分ぐらいは、痒さや腫れが続きます。
それを過ぎると、いよいよ最終段階です。体内では、蚊の唾液に対するIgGと呼ばれる抗体が作られるようになっています。IgGは強力な抗体で、蚊に刺されると、即時反応よりも早く唾液成分と反応して中和してしまいます。そのため即時反応がほとんど起こらず、痒みや腫れが生じなくなるのです。高齢者の多くがこの段階に達しているため、夕涼みの公園で蚊に刺されても、平気でいられるのです。
あなたを狙う「有毒」動物